ある先生に聞いた話ですが、ある美容室で「今抱えてる問題」についてスタッフの方に、アンケートを取ったところ、圧倒的に「お客様をお待たせする」という時間に対する問題意識が高かったそうです。そこでその事についてミーティングをし出てきた答えが、「スタイリストのカットが遅い!」「アシスタントのカラーが遅い!」などで、そのためにカットやカラーのスピードを意識して、毎日朝礼でもそれを繰り返し言い続けたそうですが、それでもなかなか問題は改善できなかったそうです。

そこで実際にすべての施術のタイムを計ってみると、カットやカラーにかける時間には、あまりムラがなく、実は意外なところにその原因がありました。それはカラー剤を選定して作るまでの時間が、人によって5分、10分以上違っていたというのです。つまりカットやカラーの施術時間に問題があると思い、そこを改善する為にたくさんの時間と労力をかけてきたけど、実際はカラー剤を作るところの、分量のマニュアルなりにメスを入れなければいけなかったという事。交通渋滞と一緒で、どこか流れをイレギュラーにしてしまうところがあると、そこですべてがおかしくなって、その結果が「お客様を待たせる」という悪循環に陥ってしまいます。だから大切なことは、今の現状がどんな原因に起因しているのかを的確に把握するということ。ともすれば一昔前なら、それこそ「気合いが足りないんだよ!」くらいに美容師は言ってたかもしれません。(今もそういう人いるんじゃないかなぁ・・・)

 先日もあるセミナーを受けて、経営者としてのスキルの足りなさに愕然としました・・・また同時に、今自分に一番足りてないのは「知識」だと言う事も解りました。いつも言っている「ビジョン」や「志」といった「マインド」が核にあって、経験とか知識とかのスキルという武器を持ってこそ、具体的な形を創れるのであって、今の現状を正確に把握して、今の問題点を摘出できる原因究明が正確に出来てこそ、的確な改善ができるんであって。ｎａｍｂｕも同様に、美容業界で当り前に起こっている「無駄な労力」は、指導者である我々経営者や幹部たちに「知識」が足りないから起こること、的確な対処を最小限で行えれば、その分それ以外の事にたくさんのエネルギーを使えるもんね!(もちろんそれだけじゃないところもあるけど)何も上に立つ指導者だけの話をしてるんではなくて、個人個人が自分に置き換えても一緒のこと。

 最後にお客様に認めて頂くのは、やはりデザインでなきゃいけないんだけど、そのデザイン力を高める為には、やはりたくさんの「知識」が必要なんだよね!我々経営者がもっと経営者としてのスキルを高めること、つまりもっと「知識」を持つ事、そうすればおのずとスタッフたちもそれに引きずられて成長するし、今自分たちがやっているお店がどう評価されてて、どこに問題点があって、そこではじめて自分たちの(強み)がマーケットに必要とされる接点はどこなのか?を知り、それが「ブランド構築」と言う事であって、そこが今までの業界の限界を越えてくキーワードなんだと思う。難しく聞こえるかもしれないけど、これからは美容師もそれくらいのインテリジェンスも持たなきゃいけない時代だと本当に思います。